忘れるように置き去りにした記憶
日差しからも月明かりからさえ
星屑の底に隠して埋めたはずだった
たまに思い返すだけの思い出だった


眼が時折見つめる先
それでいつも心にちくりと刺さる
太陽と月から隠しても
自分が一番にそれを見つけてしまう


砂漠の心じゃない
甘酸っぱい思い出だ
湖がにじんでしまっても
君1人だけ映えて見えるんだ


目的は知らない
それでも前へ進んだ過去がある
自分を成すものだ
わかってる わかってるんだ
次はないということは
ミサンガが切れても願いは叶わないことは


星屑の底にあった追憶を拾い上げる
日の光から透き通っていた
それを湖の上に浮かべる
さっと溶けて月光に照らされた


駅のホーム 行きつけの店 君がいる町
目配せをしてしまう自分
悲しいならば泣けるのに虚しさだけが募ってゆく
見えないように隠した傷跡が疼いて仕方ない



いつでも思っていたよ
だから忘れない
自分に優しく嘘をつく
もしも言葉が伝えられないなら一つだけ
もしもこの願いが叶わないなら一つだけ

――また逢うときは笑顔で




公開日:2008,6,27


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