月が舞う夜更け
夏風が髪を撫でた
梢達が互いに騒ぎ立て
跳ねる鳴き声驚き消えた


仰ぎ一つ想わせる
空に溶けた君との約束を果たせているだろうか
月に溜息一つ伸ばす


月光がそっと導いて
夜風は後押ししてくれる
木々が道標をちりばめて
音は空の果てへ続いていく


何もかもを引き換えにしてまた逢える
この身を削ればまためぐり逢える
そんな気がした
星雲を通して青雲を仰ぐ
小さな望みをそっと待ち焦がれる時の日だった



さよならは言わないで
ずっと見守っているから
いつかまた逢えるから


貴方に会えてよかった
もう会えないけれど貴方の生きる道の一部になれてよかった
だから時々空に手をかざしてほしいの
いつまでも いつまでも見守ってるから



天空にかざした手のひらが透けて青雲を仰ぐ
順風は馴染みない先へと続いてゆく
白雲が流れると同じに僕らはいつまでも歩き続ける――



公開日:2008,6,27


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